山に還る畑

 過疎の進む山あいの村では生産者の高齢化が進み、最高品質のそばが生産できる畑は耕作放棄地となりほとんどが山に戻ろうとしています。

山に戻る方法は二通りあります。

昔の農家さんは、農業資材として竹を植えていましたので、農村にはあちこちに竹林が見られます。見た目に涼しく、タケノコも採れる竹林は良いものですが、竹は生命力が強く、放置すると竹林はあっという間に広がり、畑を飲み込みます。竹林を指さし、数年前までは畑だったと説明されても、にわかには信じられません。

また、近くに竹林が無くても、放置された畑はあっという間に草茫々になります。山間の畑は雑木林に囲まれていますので、鳥の運んだ種が発芽し、木も生えてきます。数年も経つと木が生い茂り、森の風格を帯びてきます。

一年草を生やすと、百年は草に祟られる、と農家さんは言いますが、放棄された土地を畑に戻すことが並大抵でないことは想像がつきます。

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