旧主要農産物種子法に定められていた手順に基づき、国に代わって地方公共団体が種子を研究管理している作物を指します。
その内容はもちろん、主食になりうる米や麦が中心ですが、茨城県では干し芋用のさつまいもや常陸秋そばが奨励品種に指定されています。
茨城県内で広く栽培されている常陸秋そばは、種を地元の農協で購入して蒔くように勧められていまして、その種は常陸太田市の旧金砂郷地区や水府地区で栽培されています。
種栽培をするための種は、「原種」と呼ばれ、多品種との交雑を防ぐため四方を山で囲まれた畑で栽培され、その地はずっと赤土町が担ってきました。
赤土町で育てられる「原種」の種は「原原種」と呼ばれ、茨城県農業総合センターで育てられます。
このように、県奨励品種である常陸秋そばの種子は厳しく管理されているので、品種的には安定していますが、私は種を買わずに、先祖代々育てられている種だけで農業を営んでいる方の育てたそばを頂いたことがあります。
その方の畑はやはり山間にある小さなものでして、そこで育ったそばの味は大変すばらしく、やはり「そばは土地」だなと感心したものでした。