自家製粉

荒く挽いたにのまえの蕎麦粉

そば粉は粒が荒く、均一な大きさのほうが香り高くふんわりとして美味しい蕎麦になると考えております。

香りというのは揮発成分ですから、粉の表面積が大きい、つまり粒が小さいほうが抜けやすくなります。逆に粒が大きく粗ければ、蕎麦を口にする瞬間までそば独特の甘くて香ばしい匂いを温存ことができます。

また、粒の大きい砂より粒子の細かい土、さらには粘土のほうが泥団子を作りやすいように、そば粉も細かいほうがとてもまとまりやすく打ちやすいですが、荒い粉のほうがしなやかな蕎麦ができます。その場合は、粉の粒が荒いだけではなく、粒子がそろっていたほうがいいのです。

目に見えるぐらい大きな粒が混じっていたとしても粒子のばらつきが大きい、つまり粒度分布の幅が広いと、そば粉がきっちりと詰まり、空間を埋めてしまうからです。

にのまえで使用するそば粉は荒く、粒子がそろっているので、手で握っても固まりません。水分が多いとされる新そばの挽立てでもさらさらとしています。

粒の大きさを揃えるためには、製粉時に臼の刃で実を切るように挽いていく方が、臼の重さで実を割り、潰してゆくよりも良いでしょう。何よりも粉にストレスがかかりません。

そのため、鉄臼を用い、製粉しています。丁度コーヒーミルが大きくなったような機械です。

鉄の臼で挽くと粉が熱を持つとお思いの方もいらっしゃるでしょうが、鉄は石よりもはるかに熱伝導性がよく、粉が持つ熱をすばやく奪い放出しますし、実際に挽かれた粉はひんやりとしています。ですから揮発成分も製粉時に失われにくいと考えられます。

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